私たちは普段色々な目的でコーヒーを飲んでいます。眠気覚ましに使ったり、スイーツのお供にしたり。スターバックスやタリーズコーヒーなどの喫茶店に限らず、家でインスタントを淹れて飲むことも日常的にあります。しかし、コーヒーのブランドやメーカーの名前は知っていても、誰が原料の豆をつくり、その豆がいくらで取引されているかを意識したことが無い方も多いのではないでしょうか?
こんにちは!『学生ソーシャル広報チームpromo』メンバーの瀬濱(せはま)です。9/21(日)にみのおQ’sモールで行われたNPOフェスタ2014に参加してきました!
今回の記事は『フェアトレードの会 楓』さんのブースで販売員としてお手伝いした時に『楓』の三浦さんと『フェアトレード雑貨espero』の斎藤さんにお伺いしたことを中心にレポートします。
●そもそもフェアトレードって、なに?
公正取引(フェアトレード)とは、発展途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することを通じ、立場の弱い途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す運動である。(Wikipediaより抜粋)
じゃあその適正な価格って、いくら?と疑問に思う方も多いでしょう。かくいう私もそうでした。
そこで、一般的な相場での取引とフェアトレードでの取引との違いを理解していただくために、ここでフェアトレードクイズにチャレンジしていただきます!
Q. 自由貿易で取引されるコーヒー豆100g400円のうち、生産者(農民)にはいくら入るでしょうか?
以下の3択からお選びください!
(1)188円 (2) 38円 (3) 8円
実はこの問題、私も楓さんをお手伝いした時に出題され、迷ったあげく(2)の38円を選んだのですが…
長い時間ブースで見ていましたが、実際(2)を選ぶひとが多かった印象がありますね。
しかし、なんと正解は(3)の8円!最終的に400円の商品になる原料を作っているのに、その2%しかもらえないのです。これはコーヒー豆の買い取りからメーカーに届くまでに複数の中間業者を挟んでいるためです。これではまともな生活が送れるはずもなく、途上国の農民は困窮してしまいます。
しかし、フェアトレードなら同じ条件でコーヒー豆100g400円をその20%の79円で買い取ります!!
普段の取引の約10倍の値段なので、農民の生活の質は著しく向上し、自立の手助けとなります。
実はこのコーヒー豆、途上国以外で作られることはあまりありません。なぜならコーヒー豆は温暖な気候かつ標高の高い地域でなければ栽培することは難しく、その条件に合うのが赤道付近のアフリカ・東南アジア・中南米などの途上国しかないからです。
もちろんフェアトレードの内容はこれだけではありませんが、最も代表的なものを紹介させていただきました!
●コーヒー豆以外に何を取引しているの?
先ほどはあくまでもフェアトレードの「一例」としてご紹介しただけであり、フェアトレードが扱う商品は多岐にわたります。
そもそものフェアトレードの目的が、「適正価格で取引を行うことにより発展途上国で暮らす人々の生活を向上させる」というものであり、「コーヒー豆をつくる農民を支援する」だけではないのです。
なので、フェアトレードで取引する商品の種類は膨大であり、コインケースやペンケース、ブックカバー、バンダナ、ニット帽、財布、レモンティーやチャイ(インドのお茶)、紅茶のティーバッグ、ドライマンゴーなどがあり、小物や服飾品、飲食物まで他にも様々な商品を取り扱っています。
しかもそのどれもがオシャレでかわいいものばかり。工場で作っているのではなく現地の途上国の方一人一人がつくる一点物なので、全体的には似ている商品でも、必ず細部は異なり自分しか持ってない世界にひとつだけの商品を手に入れることができます!
●どこで買えるの?
私が今回販売体験と取材をさせていただいた『フェアトレードの会 楓』さんは残念ながら販売店舗を持っておりません。
しかし、その楓さんと提携関係にあり、今回のNPOフェスタで私が販売させていただいたフェアトレード商品のほぼ全てを取り扱っているお店がこの箕面にあります!
それが『フェアトレード雑貨 espero(http://
箕面市粟生外院に店舗があり、上述した商品以外にも様々な商品(石鹸、スカート、ストラップ、ぬいぐるみ、他多数)を販売していますので、興味を持っていただけたなら是非ご来店ください。
店主の斎藤さんはとても気さくで優しい方で、お願いすればフェアトレードについてもっと詳しいことを教えてくださいますよ^^(お店が混んでなければですが…)
フェアトレードショップを運営しているのはこのesperoさんだけでなく、全国各地にその活動は広がり続けています。
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京都、大阪、神戸に計6店舗をもち、家具、間接照明の販売も行っている『シサム工房(http://www.sisam.jp/)さん
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大阪市に店舗をかまえ、キャンドルや化粧品、赤ちゃん・子供用品を取り扱っている『INE(あいね)(http://www.fairtrade-osaka.jp/)さん
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デザイナーとのコラボレーションを行ってファッションアイテムの品揃えが豊富な『People Tree(http://www.peopletree.co.jp/index.html)さん
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神奈川県に店舗をもち、ネパールの人が作った服飾・生活雑貨製品を主に取り扱う『Verda(http://www.verda.bz/)さん。
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東京目黒と楽天市場に店舗をもち、ヘルシーおやつなどの飲食物に力を入れている『第3世界ショップ(http://www.p-alt.co.jp/asante/)さん
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大阪市北区天満橋に店をかまえ、「アクセサリーリフォーム会」などの様々なイベントを企画する『フェアトレードショップ アチャ(http://www.accha.jp/html/shop.html)さん
この中で『アチャ』さん以外は全てWEB販売も行っているので、「買いに行きたいけど家の近くにない…」という人も安心してお買い求めいただけます!
●フェアトレードは国内だけ?
フェアトレードの波は日本だけでなく世界各地に広がっており、なかでもイギリスは日本よりも更に進んでいるフェアトレードの先進地域です。首都のロンドンはフェアトレード最大の都市と呼ばれており、先日行われたロンドンオリンピックの会場で使われたコーヒーとバナナはフェアトレードで購入されたものを使用しているそうです。
日本では熊本市が2011年にフェアトレード・タウンに認定され、これに続こうと札幌や他のいくつかの都市もフェアトレード・タウンへの参画を検討しているそうです。
ちなみに認定基準ですが、人口1万人につき1軒フェアトレード商品を一部でも扱っていればよいとされています。例えば大阪市では人口約266万人ですから、最低でも266軒は必要になりますね。なかなか厳しい基準ですが、これを達成した熊本市にはいつか足を運んでみたいものです。
まだまだ認知度の低いフェアトレードですが、この記事をご覧のみなさんが家族やお友達、大学・サークル・バイト先の先輩後輩に教えていただけたら嬉しく思います。
『フェアトレードの会 楓』の三浦さんと『espero』の斎藤さんが丁寧に分かりやすく教えてくださったおかげで、今回この記事を書くことが出来ました。
本当にお世話になりました。この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。
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