豊中こどもれもねいどの活動から見えてきたのは、特別なものではない、
人々が忘れかけている「まち」 「つながり」でした。
「こだわりなんてないですよ」
と語る、豊中こどもれもねいどを中心となって運営する上芝さん。
普段は地元商店街で喫茶店を経営する傍ら、この活動にも精を出す毎日。とはいえ、もともと子どもたちと何かやりたいと考えていたわけではないといいます。
豊中こどもれもねいどとは、主に豊中市在住の子どもたちが豊中産のレモンを使ったレモネードを作って子どもたちだけで祭りやイベントで販売し、その売り上げの一部を地元の公益活動団体に寄付するという体験学習プログラム。そもそもは子どもたちの「ごっこ遊び」を「ごっこやなくて、ホンマにやってみたらええやん!」と思ったことが、この活動のきっかけ。
レモネードなら子どもたちでも作るのが簡単でちょうどいい。けれど当初は豊中産のレモンがあることを知らず、アメリカ産や広島産かなと考えていたところ、豊中産のレモンがあるということを人から聞いて地元の農家とつながりができたそうです。
ネーミングは「豊中」「こども」「れもん」「エイド(aid…援助、助力)」の造語で、
なるほど! だから「れもねーど」ではなく「れもねいど」なのかと納得!
豊中こどもれもねいどでは、レモネードを販売する傍ら、荒れた休耕地を自分たちで耕す農園体験学習(れもねいど農園)にも力をいれています。それは、販売体験という一部分だけでなく、農業なども通じてトータル的に学ぶ方がもっと面白いんちゃうか、また、そこから人々との交流や繋がりの面白さ大切さを子どもたちにも地元の大人たちにも味わってほしいという思いから生まれ、共感者が協力者や参加者にと関係性を広げています。
喫茶店店主という一面を持つ上芝さんにとって、この豊中こどもれもねいどの活動は、地元商店街、ひいては、自分たちのまちを作っていこうという取り組みにも影響を与えているといいます。
「まちに残るものは、周りが‛‛あってほしい’’と思うから残る」と、上芝さん。
きっと、こどもれもねいどが復活させた休耕地であった土地も、今や子どもたち、そして周りの大人たちにとってかけがえのない場所。もし、荒れ果てたままで放置しておけば、誰にも必要とされず、競売にかけられて地元住民の本意とは逸れた開発が為されたかもしれません。
また、こどもれもねいどの活動は、上芝さん自体の信用度を高めてくれているといいます。
「上芝さんなら大丈夫」「どうせなら上芝さんに」というように、まちの人同士が信頼しあえるコミュニティーの発展こそが、まちという領域内での繋がりをより強固にしていく。
だからこそ、上芝さんは自分に向けられる仕事やお願いに関して、特に「こだわり」を持たずに受け入れている。それによって、いつでも、誰とでも繋がることのできる状態を保っているそうです。
「こだわりによって興味の幅が小さくなるのが嫌。何が起こるかわからんからおもろい」
そう語る上芝さんは、これからも様々なことを「掛け算」で取り組みたいとのこと。
「子ども」×「まち」、「子ども」×「農業」、「まち」×「農業」・・・・
まちの要素同士が掛け合わさっていく。特別なことではなくても、今までやってきたことでも、みんなで「掛け算」をしていく。これこそ、我々が見失いつつある「まち」をつくるということの根底のような気がします。
そして、ここから出来上がるのが、皆にとって‛‛あってほしい’’何かなのかもしれません。
豊中こどもれもねいど、また上芝さんの詳しい情報は以下のホームページから!!
特に、こまめに更新されるブログは要チェックです!!
(レポート:唐﨑翔太)