交流型日本語学習支援「ひまわり」 取材レポート

 

 町を歩いていると、外国人が増えたと実感する今日この頃。ぱっと見た目にはそうとわからない人たちもいて、その人たちも合わせると、実はかなり多くの外国人がこの地域に暮らしているのだろうなと思います。

「この人たちはどこでどうやって日本語を勉強しているのだろう?」。そんな疑問をもち今回、箕面市国際交流協会が主催する交流型日本語学習支援「ひまわり」(以下、「ひまわり」)を取材してきました。

 

 

 場所は箕面市小野原の多文化交流センターの2 階。ここは図書館やカフェもある公共施設で、地域の交流の場となっています。

 

 

 「ひまわり」は、地域のボランティアの人たちと日本語を勉強したい外国人たちが、日本語で交流しながら言葉や文化を学ぶところです。

 初級、中級などのクラス分けや指定のテキストはなく、日本語検定試験のテキストを持ち込むなどして、マンツーマン形式で各々が自由に学んでいます。自国の昔話をアレンジして紙芝居を自作披露している人もいました。

 また、ここにはプレイルームがあるので子連れでも参加OK。 取材当日はマレーシア人の親子が楽しそうに日本語を学んでいました。

 

 

 「ひまわり」の学習者は、日本人の配偶者、留学生、仕事、または配偶者の仕事の都合で来日された人たちです。取材当日は4 組のボランティアさんと学習者さんにお話を伺いました。

 ボランティアさんに活動を始められたきっかけや動機を尋ねてみると、「海外で現地の人に助けてもらったのでお役に立ちたい」、「海外旅行で外国人の方と話すのが楽しかったから」、「日本語での交流に魅力を感じた」と答えられました。

  学習者さんに日本語の難しいところを質問すると、「漢字、ひらがな、カタカナと覚えることが多い」、「主語が無い」、「発音が難しい」と答えられました。また、「ひまわり」の良いところを尋ねてみると、「子どもと一緒に参加できる」、「1 対1 なので、がんばらなきゃとヤル気がでる」、「自由に勉強できる」等、学習者それぞれのスタイルにあった環境であることが窺えました。

 

 

 取材中は、時折笑顔がみられ、アットホームな雰囲気でお互いが楽しみながら学んでいました。ボランティアさんと学習者さんが地元のスーパーでばったり出会って談笑することもあるそうです。学習者にとって「ひまわり」が地域社会への入り口としての役割を果たしているところも見逃せない魅力です。

 また、ボランティアさんいわく、「いろんな国の人と出会え、学習者さんの出身国に興味、関心を持つようになった」、「困っている外国人の方がいたら自分から声をかけるようになった」等、ボランティア自身の気づき、学びも多くあるそうです。

 今回取材を終えて気づいたのは、「ひまわり」は決して外国人が日本語だけを学ぶところではなく、双方が学び合うということを大切にしているということです。異文化理解への第一歩は、外国人、日本人という線を引かず、同じ地域で暮らす隣人としてお互いを知り、尊重し合うことから始まっていくのではないのでしょうか。

 

交流型日本語学習「ひまわり」の活動について詳しい情報は、こちらのホームページをご覧ください。

 

■交流型日本語学習「ひまわり」

https://mafga.or.jp/ability/individual/ab_ja/

 

 

(レポート:ST)